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オゾンとは

オゾンってなに?

オゾン(O₃)は、酸素分子(O₂)が紫外線や放電などの影響で化学変化を起こし、酸素原子がもう一つ結合してできる不安定な三原子分子です。大気中では上空の成層圏に位置し、強い紫外線(UV-B・UV-C)を吸収して地球環境を守る「紫外線防護フィルター」の役割を担います。一方、地表付近では光化学反応で生成され、大気汚染物質の一つにもなります。オゾンは強い酸化力を持ち、その性質を活かして水質浄化、脱臭、殺菌などに利用されます。ただし、高濃度のオゾンは人体に刺激を与えるため、使用時には濃度や安全基準を厳守する必要があります。

生活においてのオゾンの活用

オゾン(O₃)は分解して酸素(O₂)に戻る際に生じる酸素原子(O)が強力な酸化作用を発揮します。
この酸化力によって、臭いの原因物質や菌・ウイルスなどを化学的に分解・破壊し、除菌・脱臭に効果があります。

特に「オゾン水」(水に溶けたオゾン)は、浄水場やプールだけでなく、食品工場や給食センター、スーパーマーケットなどでも殺菌・脱臭・有機物分解に実用化されています。
ヨーロッパや日本でも上水道処理に広く導入されており、浄水場では水質改善に使われています。水中の菌やウイルスに作用して細胞壁を破壊することで、食器や調理器具、キッチンまわり、炊飯器など日常の衛生管理にも活用されています。

 

医療・衛生分野でも注目されており、うがいや手洗いに利用することで、虫歯予防や口臭抑制、歯科領域での治療用洗浄にも使われています。
実験では、オゾン水が炎症を軽減し治癒を助けるエビデンスも報告されており、歯科医院での口腔ケアにも応用されています。

 

さらに、家庭用のオゾン水生成器を使えば、野菜や果物の洗浄・鮮度保持、まな板や調理器具の除菌、生活臭やペット臭の脱臭にも効果を発揮します。
消臭作用は、悪臭分子を化学的に分解するため、活性炭や香料でごまかす従来型の対策とは異なり、ニオイの元から除去することが可能です

また環境面では、オゾンは反応後に酸素に戻るため、残留性や二次汚染がほぼなく、地球に優しい衛生技術として注目されています。

食品加工や医療機関、公共施設などでは化学薬品の代替として採用が拡大しており、欧米を中心にオーガニック農業や鮮度保持、抗菌管理にも応用されています。

オゾン水の特徴

オゾン水の殺菌脱臭の仕組み

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オゾン(O₃)の脱臭作用は、その強力な酸化力によるものです。
オゾンは不安定な分子構造を持ち、自然に酸素(O₂)と酸素原子(O)に分解されます。この際に発生する酸素原子は非常に反応性が高く、臭いの元となる物質(悪臭成分)を酸化分解します。
例えば、アンモニアや硫化水素、アミン類などの悪臭成分は、オゾンによって分子構造が破壊され、無臭の水や二酸化炭素、酸素などに変化します。
オゾンは臭いを「他の臭いで覆い隠す」のではなく、根本から分解・除去するのが特徴です。また、オゾンは使用後は酸素に戻るため、残留性がなく環境にも優しいとされています。

オゾンは極めて不安定な分子で、その使用には大型・高価な装置が必要です。そのため、産業・医療界では実用化されているものの、一般向けの使用はまだ広まっていません。

オゾンの医療への活用

オゾンの具体的な医療現場での活用方法として

(1)オゾン水 

 手指消毒、創傷の殺菌・消毒、歯周病や口腔疾患の治療、眼科では手術前の洗眼、その他皮膚トラブルの緩和などに使用されており、副作用が少なく、薬剤耐性菌にも効果を発揮すると報告されています。

ただしオゾン水は発生してからの半減期も短く、オゾン水生成してすぐに使用する環境が必要となります。

(2)直接オゾンガスを体内で使用する方法

 自家血オゾン療法、オゾン腸注療法などもあり、欧州を中心に数十年の実績を持ち、日本でも内科、皮膚科、動物医療などで徐々に導入が進んでいます。
自家血オゾン療法はドイツ、イタリア、ロシアなどヨーロッパ一部地域、また南米キューバなどでは保険も適応されています。

(3)オゾンジェルの利用

 半減期が長く、オゾンの効果が保存されているジェル製剤を口腔内の殺菌、術後の口腔トリートメント剤として導入する歯科医院、動物病院も増えております。

​また化粧品原料成分として、敏感肌用化粧品や高機能化粧品への配合も始まっております。

オゾンは自然界の力を活かした次世代型の医療手法として、今後さらに注目される分野です。

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